【IBA】国際理美容協会|理美容合同の事業主団体として、初めて認可をされた労働保険事務組合です。

■ジョブ・カード制度とは

ジョブ・カード制度は、政府が2007年に「成長力底上げ戦力」の中の人材能力戦略として打ち出した制度です。 日本において職業に係る能力は新卒社員として企業に就職。 仕事を通してその技術や能力を高めることが一般的です。 しかし、1990年代以降、労働市場の規制緩和や自由化が進められ、さらに若者の働く意識の変化により、「仕事」よりも「自分らしい生き方」を 重要視するようになり、離職率が大変高くなっています。 つまり、職業に係る技能を向上させないまま職場を転々としたり、又はアルバイトで食いつなぐといった人達が年々増え続けているのです。 このことは、理美容業界についても同じことが言えます。 わざわざ理美容師になるための専門学校を卒業しながら、 美容室・理容室へ就職する卒業生は6〜7割です。 さらに3年経過後、理美容師として頑張っているOBF 3割未満というのが現状です。 3年というと、スタイリストデビューする前にサロンを辞めることになります。 その後、仮に違う美容室へ再就職しても、過去の3年間の技能レベルはほとんど白紙に戻り、また一からのスタートとなってしまいます。 こういった悪循環を断ち切るためにできたのが『ジョブ・カード制度』です。 ジョブ・カードとは、職業訓練の履歴などが記載されているカードです。交付により労働者の職業能力の『公的証明』となるものです。 つまり、公的に認められた(厚生労働大臣が認めた)『ジョブ・プログラム』を受講することで、修了証にあたる職業能力証明書が取得できるわけです。

●ジョブ・カード制度の活用と効果

ジョブ・カードは、作成する中で自分の職業能力・意識を整理できるキャリア支援シートで、以下の6つの書類によって構成 されています。

  • 総括表(氏名・住所など)
  • 職務経歴
  • 学習・訓練歴
  • 免許・資格
  • キャリアシート
  • 職業能力証明書(学校や企業が発行する)

このジョブ・カードは求職者全ての人が取得できるようになっていますが、その内容が一企業又は一個人の見解にすぎ ない内容であれば、その信憑性は低く思われ、結局、労働者と事業主のニーズのギャップを埋めることはできません。 そこで、厚生労働省では、職種ごとに統一の評価シートを作成し(本当は作成されたものを認可する)、そのシートに基づく モデルカリキュラム訓練を公的に認め、その訓練を受講してもらうことで、全国どこでも認められる職能レベルを習得させる ことにより、その信憑性を高めています。 つまり、厚生労働省が認定した職業訓練を受けると、そこで身につけた技術や 知識・能力を記した『評価シート』を、勤めたい求人サロンに出せば、全国共通でその技術や知識・能力を証明することが できるというわけです。このことにより、理美容学校卒業後、ある美容室に勤めたものの家族等の事情で辞めてしまい、 再び理美容室で働きたい時、2〜3年のブランクがあるものの、折角の免許を生かしてもう一度理美容師として働きたい 時、などにこの制度を利用することにより、訓練を通してその職能レベルが明確となり、就職に大変有利になります。 しかも、求職者の方々には訓練に係る費用の負担もありません。

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●ジョブ・カードに基づく職業能力形成プログラム

厚生労働省の認定するジョブ・カード制度に基づく職業能力訓練プログラムには、どんな訓練があるのでしょう。 企業が主体となって行なう訓練として、実践型人材養成システムと有期実習があります。 これらの訓練の特長は「企業で働きながら」職業訓練を行なうことです。 つまり、仕事をしながら訓練をするOJTと、教育機関による集合訓練であるOff−JTを組み合わせることによる訓練であるということです。 (1)現場で実際に仕事につきながら、生きた技術・能力を習得し、(2)教育訓練機関で、学科と実技で構成された理論を学び、 実践的な職業能力の習得が可能となります。

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